【社会観察】町田ゼルビア・黒田監督報道から学ぶ「情報の裏側」を見る力

コラム用のサムネイル。知識の詰まった本が積まれている。

こんにちは。「1対1個別指導塾 学友ハイスクール」です。

今日は、少しサッカーのお話をしましょう。 Jリーグで旋風を巻き起こしているFC町田ゼルビアの黒田剛監督。就任1年目でJ2優勝、そしてJ1でも優勝争いという素晴らしい結果を残す一方で、週刊誌やネットニュースでは「パワハラ疑惑」や「ラフプレー」といったネガティブな報道が相次いでいます。

実はこのニュース、受験生である皆さんが「社会を見る目」を養うための、格好のテキストなのです。

今日は、いわゆる「オールドメディア(既存のマスメディア)」の報道姿勢を通して、私たちが身につけるべき**クリティカル・シンキング(批判的思考)**についてお話しします。

1. 「悪役」は誰が作るのか?

新聞やテレビ、週刊誌といったオールドメディアは、しばしば「わかりやすい対立構造」を好みます。「正義の味方」と「悪役」を作ったほうが、記事が読まれ、視聴率が稼げるからです。

高体連(高校サッカー)出身で、プロの常識を覆して勝ち続ける黒田監督は、既存のサッカー界やメディアにとって「異物」です。 そこで、彼の徹底した勝負へのこだわりを「悪」として切り取り、「プロらしくない」「やりすぎだ」と報じる。そうすることで、「常識を守る側(メディア)」と「常識破りの異端児(町田)」というドラマを作り上げているのです。

しかし、一歩引いて考えてみてください。 「その報道は、誰の視点で書かれているか?」 「その記事によって、誰が得をするのか?」

これらを考えることが、情報リテラシーの第一歩です。

2. 「厳しさ」と「ハラスメント」の境界線

報道では、黒田監督の厳しい指導が「パワハラではないか」と取り沙汰されることがあります。もちろん、暴力や人格否定は決して許されません。

しかし、高い目標(J1優勝)を達成するためには、並大抵ではない規律や厳しさが求められるのも事実です。 これは受験勉強も同じです。 志望校合格という高い目標があるとき、私たち講師も時には厳しく「今のままではダメだ」「もっと基準を上げろ」と指導することがあります。

外部の人がその一場面だけを切り取って見れば「厳しすぎる」と映るかもしれません。しかし、そこに「信頼関係」と「共通の目標」があるかどうかが、本質的な違いです。 メディアの報道は、往々にしてこの「信頼関係」という文脈を無視し、表面的な言葉の強さだけを切り取って拡散します。

3. 君たちは「一次情報」を見ているか?

ネットニュースの見出しだけを見て「町田はひどいチームだ」と思い込んでいませんか? それは、現代文のテストで「傍線部だけを読んで答えを書く」ようなものです。

  • 実際に試合(フルタイム)を見たか?
  • 監督の会見(全編)を聞いたか?
  • 選手のコメントの原文を読んだか?

これらが**「一次情報」**です。誰かのフィルターを通した「二次情報(ニュース記事)」を鵜呑みにせず、事実そのものを確認する癖をつけてください。

「自分の頭」で考える生徒になろう

学友ハイスクールが大切にしているのは、単に偏差値を上げることだけではありません。**「世の中に溢れる情報を疑い、自分で検証し、自分の頭で考える力」**を育てることです。

黒田監督へのバッシング報道を見て、皆さんは何を感じますか? 「みんなが叩いているから叩く」のではなく、「なぜ叩かれているのか? 実績への嫉妬ではないか? 旧体制の反発ではないか?」と、背景を推測してみてください。

その「深読みする力」こそが、難関大学の入試問題や、その先の社会で求められる本当の知性です。

世間のノイズに惑わされず、自分の目標に向かって突き進む。 そんな強さを、学友ハイスクールで一緒に身につけていきましょう。

この記事を書いた人

学友ハイスクール代表です。中学入試対策(算国理社)、高校入試対策(5教科)、高校生(英数中心)の授業を担当しています。

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