大阪市住吉区東粉浜の完全1対1個別指導塾、学友ハイスクールです。いよいよ日も短くなってきて、あとは昼間が涼しく過ごしやすくなるのを待つのみ、という季節になってきましたね。
突然ですが、普段の生活で「タイパ」や「コスパ」を意識していますか? 動画は1.5倍速で視聴、本は要約サイトで済ませる、テスト範囲だけを効率よく暗記する…。時間もお金も限られている中で、無駄をなくし、最短ルートで最大の結果を得たいと思うのは、情報が溢れる現代を生きる皆さんにとって、ある意味当然の感覚かもしれません。
しかし、もしその「タイパ・コスパ最強」の考え方を、勉強にそのまま持ち込んでいるとしたら…?
厳しい言い方ですが、その先に待っているのは、応用力の全くない「ポンコツ」な頭脳かもしれません。 今回は、なぜ効率至上主義の勉強が危険なのか、そして本物の学力とは何かについて、一緒に考えていきましょう。
「知っている」と「わかっている」の巨大な壁
タイパ・コスパ重視の勉強法は、一見すると非常に賢く見えます。最小限の努力で、テストの点数が取れるからです。しかし、その中身は、重要な思考プロセスを丸ごと省略した、非常に脆い知識であることがほとんどです。
- 数学の解法パターンを丸暗記する。
- 英文の日本語訳だけを読んで、わかった気になっている。
- 歴史の出来事と年号を、ただの記号として覚える。
これらはすべて、表面的な情報を「知っている」だけの状態です。なぜその公式が成り立つのか、なぜこの単語が使われるのか、なぜその事件が起こったのか、という「なぜ?」の部分を完全に無視しています。
この「なぜ?」を考えるプロセスこそが、物事の本質を「わかっている」状態へと思考を深め、知識を本物の知恵に変えるために不可欠なのです。
脳は「無駄」な時間で成長する
皆さんが問題集を解いていて、一つの問題に30分も悩んでしまうことがあるとします。 タイパ主義の観点から見れば、これは「最悪」の時間の使い方でしょう。「答えを見て、さっさと次の問題に進むべきだ」と考えるかもしれません。
しかし、脳の成長という観点から見れば、この「うーん…」と唸りながら悩んでいる時間こそが、最も価値のある「金の時間」なのです。
ああでもない、こうでもない、と様々な知識を頭の中で繋げようと試行錯誤する。この一見無駄に見える「寄り道」や「回り道」のプロセスで、脳の神経回路は新しく結びつき、強化されていきます。この苦しい格闘の末に「あっ、そうか!」と閃く瞬間(アハ体験)に得た知識は、決して忘れることのない、応用可能な「生きた学力」となります。
タイパを求めてこの「無駄」な時間を切り捨ててしまうことは、脳が最も成長するチャンスを自ら捨てているのと同じことなのです。
「解答作成マシン」になってはいけない
大学入試、特に難関大学が求めているのは、「正解を知っている人間」ではありません。彼らが求めているのは、「未知の問題に直面した時に、自分の持てる知識を総動員して、粘り強く考え抜ける人間」です。
タイパ・コスパ重視の勉強法で身につくのは、「与えられた問いに、記憶した答えを素早く出す」能力だけ。これは、いわば「解答作成マシン」です。問題の形式が少し変わったり、初見のテーマが出されたりした瞬間に、フリーズしてしまいます。
本当の学力とは、寄り道や回り道をしながら、様々な知識を繋げ、自分なりの答えを導き出す力です。それは、大学での研究活動はもちろん、社会に出てから直面するであろう、答えのない問いに立ち向かうための力そのものです。
まとめ:コスパの悪い勉強こそ、未来の自分への最高の投資
動画を倍速で見たり、要約で済ませたりする器用さが、悪いわけではありません。しかし、自分自身の頭脳を鍛え、未来を切り拓くための「勉強」においては、その考え方は一度脇に置いてみましょう。
一つの問題にじっくり時間をかける。一つの文章の背景まで深く読み込む。その一見「コスパの悪い」学びこそが、10年後、20年後の自分を助ける、最高の自己投資なのです。
学友ハイスクールでは、一人ひとりの「なぜ?」に徹底的に向き合い、君が「わかった!」と閃く瞬間まで、粘り強く寄り添います。私たちは、答えを教えるのではなく、答えにたどり着くまでの「思考の体力」を鍛える場所です。
タイパ・コスパの罠から抜け出し、本物の学力を手に入れたい。そう思う君と一緒に勉強できる時をを、私たちはいつでも待っています。
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